
リハ職が自分ひとりって責任重くない?
相談する相手は誰もいないの?
病院で働いているPT・OTからすると、ひとり職種は大きな環境の変化になります。
「ひとりでストレスなく働ける♪」
と、嬉しく思える反面、不安に感じることもたくさんあるかと思います。
実際に、働いてみて分かったひとり職種によるメリットとデメリットは以下のとおり。
メリット
- 管理されるストレスがない
- 気兼ねなく休める
- 比べられる相手がいない
- 唯一無地の存在になれる
- 理想の職場をつくれる
デメリット
- 仕事を教えてくれる人がいない
- 休んでも代わりはいない
- 同期のような存在がいない
私も転職前は多少の不安がありましたが、働いてみると居心地がよく、あっというまに勤続7年。
事実、特養はPTの離職率の低さが「高度急性期」についで第2位の9.0%!

(参考:医療従事者の需給に関する検討会)
PT全体の離職率は12.3%のため、特養は離職率が低いと言えます。
本記事では、ひとり職場のメリット・デメリットとデメリットへの対策を紹介します!

特養で花開いたPT
Bすけ
ダメ出しばかりくらい続けた病院から逃げるように転職。転職先の特養では理事を任されるまでに! 働く場所が人の価値を決めるのだと実感。PT・OTが価値を見出しやすい特養の魅力を発信しています!
特養でPT・OTが感じるひとり職場のデメリット3選

病院から逃げ出すように特養に転職してきた私にとって、ひとり職場はストレスフリーで快適な環境です♪
それでも、人によってはデメリットと感じる部分もあると感じています。
ひとり職場によるデメリットは3つ。
・利用者の痛みの原因が分からない
・急な能力低下の原因が分からない
・適切な歩行補助具が分からない
これらを相談できる相手はいません。
私が働いて気づいたのは、最低でもひとりで「評価」をできる知識が必要ということ。

急に膝の痛みを訴えて、歩行が不安定なので見てください!

腫れてはないけど・・・。
なんでだろう・・・?
このように、自信がなさそうに振るまってしまうと信頼を失います。
介護士や看護師からすると、上記のような相談をできる唯一の相手がPT・OTだからです。
そのため、特養で働くには、ひとりで「評価」をできるだけの知識は必須です!
・風邪をひいて1日休んでしまった
・旅行のために3連休をとった
・外部研修に1日参加した
このように、出勤する日数が減ってしまった場合、代わりに仕事をしてくれる人はいません。
1週間に実施するリハビリの人数は決まっているため、休めば仕事はたまっていきます。
他にも、書類作成や施設内研修の開催などPT・OTの仕事は多岐にわたります。
休んでも代わりがいない分、特養では仕事管理スキルが重要になります。
・研修で習った手技を教え合う
・仕事の失敗をなぐさめ合う
・仕事後にパーっと飲みに行く
同じ職種、同じ経験年数、同じ年齢。
特養では、同期と思えるほど親近感をもてる境遇の人はいません。
そのため、仕事の悩みを同じ肌感覚で共有することはできません。
ただし、職種が違っても親身に相談にのってくれる人は必ずいるので心配しすぎないように!
特養のひとり職場によるデメリットを緩和する方法

上記で紹介したデメリットに関して、私はあまりデメリットと感じていません。
それは、解決策や代替策があるから。
100%の解決は難しくても、自分の許容範囲までの改善は難しくありません♪

許容できなければ、特養は向いていないってことね。

逆に、許容できてしまえば特養は居心地の良い環境だよ♪
評価の知識が未熟な状態では、特養に就職することはおすすめしません。
病院など指導者のいる職場で、最低でも2年は学んでから就職することでデメリットを感じずに済むでしょう。
その代わり、「治療」に関する深い知識や技術は必要ありません。
理由は、特養のリハビリ目的は機能維持であり治療手技を発揮する場面は少ないから。
リハビリの頻度と時間が少ない特養では、機能向上は見込めません。
そのため、特養では評価知識さえあれば、教えてくれる人がいなくても困ることはありません。
特養のリハビリは、頻度・時間ともに自分で決めることができます。
・目標のために現実的な頻度と時間
・利用者や家族の承諾を得ている
上記を満たしていれば、頻度と時間は自由に調整可能です。
有給も使えるように、週4日で回りきれるような頻度と時間に設定しましょう。

そんな楽していいの!?

余った時間は、リハビリ以外の仕事に費やせばOK。
特養では、リハビリ以外の時間こそPT・OTの役割を果たせる機会だから。
体調不良などで休んでしまった分は、公休と振り替えること負担なく仕事を進めることができます。
もし、振り替えができなければ、その期間だけリハビリ加算を算定しなければ問題ありません。
特養のリハビリ加算は収益性が低いため、加算を取れない期間があっても負担に感じる必要はありません。
特養で人数の多い職種は介護士だけです。
つまり、同期のような存在がいないのは他職種も同じです。
他職種もみな、PT・OTと同じように仕事の悩みや愚痴を共有したいと考えています。
そのため、職種よりも年齢の近い人と仲良くなりやすいのが特養の特徴。
各職種の平均年齢を調べると、以下のようになります。
PT・OT | CW | NS | 栄養士 | CM | SW |
---|---|---|---|---|---|
34.7歳 | 50.0歳 | 41.9歳 | 34.9歳 | 53.0歳 | 43.1歳 |
私の職場でも、各職種は上記とほぼ同じ年齢になります。
35歳の私は、栄養士とよく話をする間柄。
年齢が近いと、子供の年齢も近くなるため話題が多く見つかります。
特養で働くPT・OTだけの特権!ひとり職場のメリット5選

特養のひとり職場は、誰にも縛られずに、自分で考えたことを行動に移せて、イキイキ働ける環境です。
病院時代の私は、常に上司の目を気にし、失敗を避けるための行動ばかりを意識して働いていました。
そんな私にとって、ひとり職場の特養は自分の能力を発揮しやすい環境だと感じています。
具体的に、ひとり職場のメリットは5つ。
同じ職種の上司がいないため、自分の仕事は自分で管理します。
仕事の内容や進め方に関して指摘を受けることはありません。
なぜなら、PT・OTの仕事に関して知識をもっている人がいないから。
やるべき仕事を自分で考え、自分のペースで進める、一般の営業職に近い働き方です。
病院時代の私は、常に上司の監視下にあるなかで「ミスを避けるための」消極的な行動ばかりでした。
その反動か、特養では大空に放たれた鳥のように積極性を発揮しています!

県が主催する研究大会にも自ら応募し発表したよ!
縛られて働くのが苦手な人にとって、特養は実力を発揮できる最適な場所だと言えます!
特養では、PT・OTの仕事を代わりにできる人はいません。
そのため、自分が休んでも他の誰かに負担をかけることはありません。
つまり、気兼ねなく休めるということです♪
・決められた人数のリハビリを終える
・抱えている仕事を期日までに仕上げる
自分のやるべき仕事さえ管理できていれば、いつ休んでも大丈夫。

今週の仕事はここまででOK。
午後は有休消化にあてよう!
これも営業職に近い働き方のように感じます。
特養での休日に関しては、以下の記事を参考にしてください。
PT・OTは自分ひとりのため、比較される相手はいません。
病院では、どうしても経験年数の近い人を意識しちゃいますよね?

あいつはコミュ力高くて面白いやつだな。

勉強会にも頻繁に参加してますよね。
同期が褒められるだけで劣等感を感じたり・・・
無理に勉強会に参加したり・・・
その結果、人の目を気にして行動する習慣がついてしまう始末。
しかし、特養ではそんなストレスとは無縁です!
「過去の自分よりも成長しよう!」と、自分の意志で自己研磨できる環境です。
PT・OTがいちばんの知識を有する分野では、誰もが自分ひとりを頼ってくれます。
「利用者の移乗方法を教えて」
「転倒した利用者のケガを見て」
「転倒予防のための環境を教えて」
「褥瘡予防のポジショニングを教えて」
「車いすのクッションを選んで」
こんなとき、真っ先に相談を受けるのは、特養で唯一のPTである私。
病院時代のリハ課長でさえも、他職種からこんなに頼られる姿は見たことありません。
しかし特養では、役職のないひとりのPTを多くの人が頼ってくれます!
私ひとりにすべての相談が集まるため、嬉しい反面、大変ではあります。
それでも、人の悩みを解決できることにやりがいを感じるのは、PTの性なのでしょう。
人の悩みを解決し続ければ、自然と評価は上がり役職をもらえる可能性も♪
特養での将来性については、以下の記事で詳しく解説しています。
理想の職場がつくれる理由は、自分の意見が反映されやすいから。
ひとり職場ということは自分の意見が職種を代表する意見になります。
特養は、病院と比べて規模が小さいという点でも意見を反映させやすくなります。
リハ職の考えが浸透していない特養では、PT・OTが考える一般的な対応とは異なる介護をしていることが多々あります。
私が入職した当時、過剰な介助をしている職員が多く見られました。

これって過剰なの?
本当はどれくらい能力があるの?
一人ひとりの利用者の能力を時間をかけて伝えることで、職員の介助方法も変わってきます。
自分の考えを浸透させることができるのが、ひとり職場ならではのやりがいです♪
【まとめ】自分で考えて行動できる特養の「ひとり職場」は快適な環境!
特養ではPT・OTがひとり職場になるため、病院とは働き方から人間関係まですべてが異なります。
ひとり職場によるデメリットと解決策は以下のとおり。
・仕事を教えてくれる人がいない
▶評価の知識があれば大丈夫!
・休んでも代わりはいない
▶仕事量を調整すれば大丈夫!
・同期のような存在がいない
▶他の職種も同じだから大丈夫!
解決策や代替策があるので、私にとってはデメリットと感じていないのが正直なところ。
逆に、ひとり職場の以下のメリットにより自分を抑えつけることなく能力を発揮できていると感じています。
メリット
- 管理されるストレスがない
- 気兼ねなく休める
- 比べられる相手がいない
- 唯一無地の存在になれる
- 理想の職場をつくれる
特養は自分で考えて行動したい人には最適の環境です。
周りの目を気にせず、ストレスフリーで自分だけに焦点をあてて成長していくことができます!
もし、特養での仕事に興味をもった場合は、転職エージェントの利用をおすすめします。
希望条件にあった求人を紹介してくれ、給与交渉まで行ってもらえるから♪
おすすめの転職エージェントは、以下の記事で紹介しています。

質問があれば、お問い合わせやエックスのDMから気軽にご連絡ください♪