

【特養に転職したら】リハ職がまっさきに行うべき機能訓練加算について徹底解説

【覚悟すべき】特養で働く理学療法士・作業療法士に訪れる2つのデメリット

特養はPT・OTの価値が高まる職場!メンタル充実→挑戦→成長の好循環を生む環境

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特養に転職するステップ
記事一覧

特養で理事を兼務しつつ理学療法士として働く「Bすけ」です!
このブログでは、PT・OTが特養で働くために必要な情報をすべて解説しています。
すぐに、本題に入りたい方は下記のボタンから、気になる項目をご覧ください。
私は特養に来る前は回復期病院で働いていました。
そこでは、3年間ずっと欠点ばかりに目を向けられ、自信を削られるような毎日を過ごしていました。
しかし、4年目に特養に転職すると周りの評価はいっぺん。
特養で唯一のPTとして、誰もが私を頼ってくれるようになりました。

3年目には理事も任されたよ!
周りから認められることで、自己肯定感は上昇。
内向的だった性格も、少しずつ変化が見られています。

研究大会に自ら応募するなど、積極的に挑戦ができるようになったよ。
PTこそ特養へ行け!』では、
・一次情報を満載に
・リアルに!具体的に!
・根拠も示しつつ
特養の魅力から欠点まで包み隠さず紹介します!
「特養の給料ってどうなの?」
「有給はしっかりとれる?」
「特養ってやりがいある?」
こんな疑問にも、すべて応えていきます!
【STEP1】特養の魅力を知る
特養の最大の魅力は「リハ職が評価されやすい環境」です。
ここでは、リハ職が評価されやすい理由を2つ紹介。
1.特養にリハ職はひとりだから
2.医療・生活両面の知識をもつから
病院や老健などでは、PT・OTが複数人いるのが当たり前です。
そのため、特に5年目以下のPTやOTはその他大勢のひとりとして埋もれてしまいます。
しかし、特養では自分が唯一のPT・OTです。
PT・OTの分野に関することは、すべて自分ひとりに相談が集まります。
頼られれば頼られるほど自己肯定感が高まり、仕事に対するモチベーションは上昇。
相談に全力で応えれば、さらに相談が集まるようになり評価は高まります。
特養は治療を必要としない利用者が生活する場ではありますが、医師が常駐しないため医療的知識も貴重です。
また、認知症の利用者の割合が約90%のため、認知症の知識も必須。
・生活動作の評価ができる
・認知症の知識をもっている
・医療面のリスク管理もできる
そんなPT・OTにとって、特養は知識やスキルを発揮しやすく評価されやすい職場です。
特養の魅力について、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください!
【STEP2】特養で受け入れるべきデメリットを知る
どこの職場でも、メリットがあればデメリットもあるのが当然です。
ここでは、特養で働くなら受け入れるべきデメリットを包み隠さず紹介します。
以下の2つをデメリットと感じない人にとっては、特養は最適な職場だと言えます。
1.専門外の仕事を任される
2.治療スキルが衰える
・利用者の送迎
・利用者の食事介助
・イベントの準備
他職種の人手不足の際には、上記のような仕事を任されることもあります。
特養では、介護士以外の職種は1人~5人程度の少数で構成されています。
そのため、ひとりが休めば全員でカバーし合うのが基本です。
PT・OTはひとり職種であり、時間の融通が効きやすいことから、ヘルプ依頼が来やすい職種。
専門スキルをまったく活かせないような仕事でも、特養では助け合いの精神が必要です。
特養のリハビリは、病院と比べると時間も頻度も少なく身体機能を維持することが目的です。
病態もすでに固定化されているため、改善を図ることは困難。
そのため、治療手技を使うことがほぼありません。
イメージとしては・・・
図解
評価→問題点抽出→機能維持を図りつつ、問題点に対しては介助方法を変えたり環境調整で対応します。
当然、使わない知識や技術は衰えてしまったり忘れてしまいます。
もし、特養から病院やクリニックに転職を考えるなら治療スキルを学び直す必要があります。
1.専門外の仕事を任される
2.治療スキルが衰える
特養では、リハビリにかける時間が少なくなることで上記のようなデメリットが発生します。
しかし、リハビリの時間が少なくなる分、リハビリ以外の仕事で得られるのが「ポータブルスキル」です。
ポータブルスキルとは、業界や職種が変わっても役立つスキルのこと。
特養では、「タイムマネジメント」「ライティングスキル」「プレゼンスキル」が身につきます。
なぜなら、リハビリ以外の時間では以下のような仕事を請け負うから。
・職員研修の企画と実施
・介助方法の提案と指導
・マニュアルや指針の作成
・地域でのリハビリ教室
・事故防止策の提案・周知
上記の仕事の共通点は、「人に伝える」「人に説明する」という点。
これらの仕事を、リハビリ以外の限られた時間で計画的に進めることで「ポータブルスキル」が身につきます。
ポータブルスキルを身につければ、セカンドキャリアの選択肢が広がります!
【STEP3】転職活動の攻略法を知る
情報収集を重要視すべき理由は、自分のイメージした職場像と現実のギャップによる早期退職を避けるため。
退職する人の多くが、「思っていた感じと違った」というギャップを理由にあげています。
実際に、リクルートが行った調査では、退職理由の1位・2位が理想と現実のギャップによるものでした。

※リクルートマネジメントソリューションズ「新人・若手の早期離職に関する実態調査」
1位:労働環境・条件に不満(25.0%)
2位:給与水準に不満(18.4%)
人間関係や上司との相性は、実際に入職してみないとわかりません。
しかし、労働時間や休日、給与水準は事前の情報収集で知ることができます。
だからこそ、事前の情報収集がもっとも重要だと言えます。
情報収集の重要性については、以下の記事で詳しく解説しています。

でも、転職エージェントは電話がしつこくて面倒って聞くよ。
転職エージェントを敬遠する人の気持ちも分かりますが、それでも私が転職エージェントを勧める理由は2つ。
1.時間を無料で買える
2.正確性の高い情報が手に入る
転職エージェントを利用することは、無料で時間を買うのと同じことです。
なぜなら、担当のアドバイザーが自分に変わって情報収集をしてくれるから。
・ネットで情報収集
・見学・面接のアポ電
・履歴書作成
・面接対策
本業の仕事をしつつ、休日を利用して上記の作業を自分ひとりで完結するのは至難の業です。
忙しさを理由に、情報収集が疎かになってしまうのが目に見えています。
転職エージェントを利用すれば、無料で以下のような情報が手に入ります。
・非公開の求人情報
・過去に就職した人からの内部情報
・人事から聞き出した給与の詳細
上記の情報は、自分ひとりでは決して手に入れることはできません。
転職エージェントで正確な情報が手入る理由は、2つのルートから情報収集を行っているから。
1.求人先の人事担当者から直接
2.過去に就職した人から直接
一方だけでなく、両者から情報収集することで、より正確な情報が手に入ります。
もし、入職後に提示した情報との相違があれば転職エージェントが仲介に入るようなアフターフォローまで行っています。
いっぽうで、ホームページで調べた情報やハローワークで得た情報を鵜呑みにしてはいけません。
医療福祉の業界では求人情報と現実の相違が多いため特に注意が必要。
厚労省によるハローワークに関する報告では、医療福祉業界で1年に1,490件の求人票と現実の相違が報告されています。

1位:医療・福祉(1,490件)
2位:卸売業・小売業(1,377件)
相違内容として多いのが、賃金や就業時間に関すること。

1位:医賃金に関すること(27%)
2位:就業時間に関すること(21%)
※ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違
上記の理由で、当ブログでは転職エージェントに頼ることをおすすめしています。
【STEP4】転職エージェントを選ぶ
PT・OTによく利用されている転職エージェント5社を比較した結果がこちら。
エージェント | 対応エリア | 求人数 | サポート体制 | 利便性 |
---|---|---|---|---|
PTOT人材バンク 総合評価:5.00 | 全国 地方の求人が豊富 | PT:16,878 OT:15,261 ST:8,488 | 面接対策(同行あり) 履歴書・経歴書の添削 | 27項目の検索 連絡:LINE◯ |
PTOTSTワーカー 総合評価:4.50 | 全国 東京・関西の 求人が豊富 | PT:15,690 OT:13,143 ST:6,116 | 面接対策(同行あり) 履歴書・経歴書の添削 | 12項目の検索 連絡:LINE◯ |
マイナビコメディカル 総合評価:4.50 | 全国 地方の求人は 少なめ | PT:15,944 OT:14,097 ST:7,415 | 面接対策(同行あり) 履歴書・経歴書の添削 | 17項目の検索 連絡:LINE◯ |
レバウェルリハビリ 総合評価:3.00 | 千葉 東京 神奈川 | PT:4,644 OT:3,598 ST:2,014 | 面接対策 履歴書・経歴書の添削 | 連絡:LINE◯ |
PTOTキャリアナビ 総合評価:2.0 | 関東 関西 | 非公開 (かなり少ない) | 面接対策 履歴書・経歴書の添削 | 連絡:LINE◯ |
「PTOT人材バンク」をおすすめする理由は、公開求人数が業界No.1で、サイトの利便性に優れているから。
私も、現在の職場には「PTOT人材バンク」を利用して入職しました。
求人数が多いこともあり、登録から内定まで2ヶ月でスムーズに転職を成功させることができました。
特に、担当が親切丁寧に手厚くサポートしてくれたのが印象的でした。
電話での相談が必要なときも、必ず事前にお伺いのメールが届き、気遣いを存分に感じました。

実際にPTOT人材バンクを利用した人の多くが担当を評価しています。
PTOT人材バンクへの登録は以下の情報を打ち込むだけで、約1分で可能です。
・保有資格、常勤or非常勤
・現在の状況と希望転職時期
・住まい、生年月日、名前
・電話番号、メールアドレス
良い求人との出会いはタイミング次第。いつでも情報を受け取れるよう転職する1年前を目安に登録しておきましょう!
「PTOT人材バンク」については、以下の記事で詳しく解説しています。
【STEP4.5】理事を狙える特養を探す方法
特養では、ただのPTやOTでも理事など役職に就くことは可能です。
特養のリハ職は、基本ひとりのため病院よりも断然、役職に就きやすい環境だから。

実際に、私は特養に転職して3年目に「理事」を兼務することができたよ。
ただ、理事や役職だけを目当てに特養に転職することはおすすめしません。
なぜなら、「特養なら役職に就ける」という確証はないから。
選ぶのは人であり、スキル・年功序列・好き嫌いなど選考基準は予測不可能だからです。

それでも、参考程度に「理事を狙える施設」の探し方を知っておきたい!

以下に詳細の記事を用意したよ。
期待しすぎないように注意してね!
【STEP5】特養独自の面接を攻略する
特養でアピールすべきポイントは、PTやOTとしての知識量やスキルではありません。
アピールすべきは、
特養では、上記のような人材が求められているからです。
特養は生活の場であることから、利用者さんにより良い生活を提供することが使命です。
優れたスキルをもっていても、症状が固定化された利用者さんの機能向上は望みにくいのが現実。
そのため、リハビリだけに拘らず多職種共同で様々な視点からアプローチできる人がより求められます。

早速、面接でのアピール方法を紹介するよ!
特養の面接で聞かれる項目は以下の5つが基本。
①自己紹介(PR)
②現在の仕事内容と役割
③志望動機
④転職理由
⑤逆質問
聞かれることは、特養でも病院でも一般企業でも大きく変わりません。
8割から9割が上記のような質問内容になります。
上記のなかで、アピールができる質問項目は以下の3つ。
①自己紹介(PR)
②現在の仕事内容と役割
③逆質問
【例文】
私は3年間、急性期病院で患者さんのリハビリを行ってきました。
特に、リスク管理を得意としており医師や看護師と情報を共有しあい、危険予見から急変や転倒を防いできました。
特養でも、介護士や看護師とともに利用者さんの転倒や病気の予防につなげたいと考えています。
【例文】
回復期病院で働いて4年目になります。
現在は、病院内の栄養サポートチーム(NST)の役割を任されています。
会議の場以外でも各職種と頻繁に情報交換を行い、高速でPDCAサイクルを回すことを意識していました。
その結果、チームの協力や先輩のサポートのおかげもあり2年連続で褥瘡ゼロを達成できました。
逆質問とは、面接の最後に面接官から聞かれる「何か質問はありますか?」のこと。
【例文】
特養ではリハビリの収益性が低いと事前に調べて分かりました。
そこで、私はリハビリだけでなく他の面でも施設に貢献したいと考えています。
例えば、転倒事故を減らすことです。
介護士や看護師など他職種がそれぞれの分野でアイデアを出しあう機会をたくさんもちたいと考えています。
その他に、〇〇さんが理学療法士に求めることはありますか?

もし、自分なりの回答が思い浮かばない場合は相談にのるよ。
エックスまたはブログ内のお問い合わせより質問ください!
【STEP6】特養に入職してからの働き方
PT・OTが特養に入職したらまっ先に行うべきが「個別機能訓練加算」をとるための準備です。
なぜなら、施設がPT・OTを雇ったメインの理由は、この加算を算定するためだから。
しかし、個別機能訓練加算は幅広い加算の取り方があり、施設によって方法はさまざまです。
確実に加算を算定するためには、以下の2ステップで進めてください。
Step1:機能訓練加算の要件を把握
Step2:リハビリの提供方法を決定
個別機能訓練加算Ⅰの要件を流れに沿ってまとめると以下のようになります。

①家族・利用者へリハビリ概要・料金を説明
②他職種共同で計画書を作成
③計画に基づいたリハビリ開始
④3か月ごとに内容の見直し
⑤その都度、家族に説明し同意を得る
どのような形でリハビリを提供するかがいちばんの悩みどころになります。
・個別リハor集団リハビリ?
・実施頻度は?
・1回のリハビリ時間は?
・リハビリを実行する人は?
上記のように、施設ごとに決定できる事項がたくさんあるからです。
決める際のポイントは、
例えば、1週間に1回のリハビリ頻度で考えると、1日に実施すべき人数は以下のとおり。
施設の入所者数 | 1日のリハ実施人数 |
---|---|
50人 | 10人 |
60人 | 12人 |
70人 | 14人 |
80人 | 16人 |
90人 | 18人 |
100人 | 20人 |
1回のリハビリ時間が15分と考えても、1日に16人のリハビリとなると余裕はありません。
もし有給休暇を1日でも取得すると、1日に20人で手いっぱいになってしまいます。
そのため、80人以上の利用者を抱える施設では、1対1の個別リハビリは難しいと考えます。
利用者の数が80人を超えるようであれば、以下のような提供方法も有効です。
メニュー①:介護士による集団体操を毎日5分
メニュー②:PT・OTによる機能訓練を週1回10分
特養では、リハ職だけで加算をとるという考えは捨てるべきです。
利用者の人数に応じて、他職種にも協力してもらうことを考えましょう。