【覚悟すべき】特養で働く理学療法士・作業療法士に訪れる2つのデメリット

特養で働く最大の魅力は「誰からも頼られるようになること」です。

回復期病院から逃げだすように転職してきた私でさえも、今では理事を任されているくらいだから。

このような経験から、「PT・OTこそ特養へ行け!」と本気で思っています。

しかし、どんな職場でもメリットがあればデメリットもあるのが事実。

結論、特養で働くなら覚悟すべきデメリットは以下の2つ。

本記事では、「特養で働くデメリット」と「デメリットと引き換えに得られるスキル」について紹介します!

この記事の著者

特養で花開いたPT

Bすけ

プロフィール

ダメ出しばかりくらい続けた病院から逃げるように転職。転職先の特養では理事を任されるまでに! 働く場所が人の価値を決めるのだと実感。PT・OTが価値を見出しやすい特養の魅力を発信しています!

特養で働くPT・OTが覚悟すべき2つのデメリット

特養は仕事内容や職員の人数構成など病院とは環境が大きく異なります。

その違いによって生まれるデメリットは2つ。

それぞれ、経験談を踏まえて解説していきます。

他職種の仕事も引き受ける必要がある

利用者の送迎に行ってもらえる?

食事介助を手伝ってもらえる?

納涼祭の準備お願いできる?

特養では、上記のようなPT・OTの仕事とかけ離れた仕事を任されることもあります。

その理由は3つ。

1.特養は各職種が少数で成り立っている

2.PT・OTはひとりのため融通が利きやすい

3.PT・OTは利用者の介助から事務仕事まで幅広くこなせる

例えば、短期入所者の送迎。

基本は相談員が行っていますが、1人しかいない相談員が休みの日には誰かが代わりを務める必要があります。

介護士や看護師は、ひとりひとり持ち場があり簡単に場を離れることができません。

そこで、PT・OTに声がかかります。

私は以下のような頻度で仕事を任されます。

仕事内容頻度
利用者の送迎週0〜2回
食事介助週1回
イベントの準備年2回

正直、誰にでもできるような仕事は気が進みません。

Bすけ
Bすけ

忙しいうえに、PTのスキルも全く活かせない!

しかし、特養のような小規模の職場ではお互いが補い合わなければ業務が回りません。

多少の気乗りしない仕事でも我慢が必要です。

治療スキルや検査値の知識が衰える

治療スキルが衰える理由は、ボバースなど治療スキルを使う機会がないから。

特養のリハビリは、ひとり週1回の頻度であり「機能維持」が目的となります。

認知症の利用者が90%を占めるため、リハビリ内容は基本動作が中心。

・関節可動域訓練

・立ち上がり練習

・歩行練習

すでに症状が固定されていたり、指示理解が難しいため「質」よりも「量」を重視します。

Bすけ
Bすけ

病院勤務のPTからすると、お散歩リハと思われるかも。

だから、常に動作分析は心がけているよ!

リハビリ頻度の少ない特養では、「治療スキルの衰え」は覚悟すべきだと言えます。

血液データや、脳画像・レントゲンの知識が衰える理由は、それらのデータに目を通す機会がないから。

生活の場である特養では、定期的にデータをとることがありません。

唯一目にする機会は、入院していた利用者が退院してきたとき。

脳画像やレントゲンに至っては、嘱託医にデータで届くため特養で見ることはありません。

定期的に使うことのないスキルや知識が衰えてしまうことは避けようがありません。

特養で働くPT・OTがデメリットと引き換えに得られるスキル

上記で紹介した2つのデメリットを受け入れると、自然と身につくスキルがあります。

これらは特養という病院とは異なる環境だからこそ身につくスキル。

なぜ、特養でこれらのスキルが身につくのか解説していきます!

時間管理能力

【特養のデメリット①】

様々な仕事を引き受ける必要がある

このデメリットと引き換えに得られるのが、時間管理能力。

特養では、リハビリ以外の仕事が多岐にわたり、他職種からの仕事依頼にも応える必要があるからです。

私の場合は、以下のような仕事を期限内に終えられるようスケジュール管理しています。

期限仕事内容
毎月初旬厚労省へ利用者情報を提出
毎月中旬計画書を家族へ送付
毎月第2月曜委員会資料作成
3か月に1度施設内研修資料作成

さらに、予想外のタイミングで他職種からの仕事依頼が舞い込みます。

利用者のリハビリを進めつつ、同時並行で上記の仕事をひとりで管理していると、時間管理能力が身につきます。

私が試行錯誤してつかんだ時間管理のポイントは「力の入れどころを抑える」ことです。

70点の成果で提出してよい仕事。

100点の成果で提出すべき仕事。

その見極めができるようになり、今では他職種からの相談に100%で応える余裕をもてるようになりました。

自分で言うのもなんですが、現在、私は職場で誰よりも相談が集まるポジションに立てていると感じています♪

ライティング・プレゼンスキル

【特養のデメリット②】

治療スキルや検査値の知識が衰える

このデメリットと引き換えに得られるのが、ライティングスキルとプレゼンスキル。

特養では、治療にかける時間が減る代わりに「人に伝える仕事」が増えるからです。

例えば、以下のような仕事。

・利用者の移乗方法を周知

・施設内研修の開催

・地域でのリハビリ教室

・指針やマニュアルの作成

リハビリ収益の低い特養では、PT・OTはリハビリだけでなく様々な仕事を請け負います。

上記のような仕事を請け負うことで、自然とライティング・プレゼンスキルが身につきます。

私が試行錯誤してつかんだプレゼンのポイントは「相手の興味を知る」ことです。

研修では各職種が普段から悩んでいることや、疑問に感じていることを盛り込むことが重要。

相手のニーズを盛り込むことで、質疑応答が活発にでるような研修になります。

そのためには、普段から各職種の視点で考えるという意識をもつ必要があります。

「相手の気持ち」を先読みできると、プレゼンだけでなく普段のコミュニケーションも円滑になります♪

特養では「アンポータブルスキル」を失いやすく「ポータブルスキル」が身につきやすい

身につくスキル

  • 時間管理能力
  • ライティングスキル
  • プレゼンスキル

衰えるスキル

  • 治療スキル
  • 検査値・画像の知識

説明してきたとおり、特養では2つのスキルが衰えるかわりに、3つのスキルが身につきます。

衰えてしまう「治療スキル」や「検査値の知識」は、理学療法士として働くうえでは重要なスキルです。

そのため、特養から病院やクリニックに再転職をするなら学び直しが必要になります。

しかし、業界を離れてしまえば役には立たないスキルのため「アンポータブルスキル」と呼ばれます。

反対に、身につく3つのスキルは「ポータブルスキル」と呼ばれます。

1.時間管理能力

2.ライティングスキル

3.プレゼンスキル

上記のスキルは、業界や業種が変わっても役立てることができるスキルです。

・給料の高い他業界に移る

・ノマドワーク副業を始める など

ポータブルスキルがあれば、働き方の選択肢を広げることができます♪

「アンポータブルスキルよりもポータブルスキルを身につけたい!」

「治療スキルが衰えても、必要なときに学びなおせばOK!」

上記のように思える人には、特養は本当におすすめの職場です!

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